コラム

令和3年度のインフルエンザワクチンについて

まもなくインフルエンザワクチン接種の季節がやってまいります。当院では毎年多くの方にワクチンを接種していただいておりますが、「今年もうった方が良いか」とのお声を耳にいたします。インフルエンザはここ2シーズンまったくといっていいほど流行しておりません。新型コロナウイルス対するソーシャルディスタンス、マスクや手洗いの徹底といった感染予防の効果が影響していると考えます。なので、今シーズンもインフルエンザの流向はなさそうだからワクチンをうたなくとも大丈夫との考えもあります。

 

一方で、2シーズンにわたりほぼすべての方がインフルエンザに罹患していないので、インフルエンザに対する集団としての免疫が弱くなっている可能性もあります。インフルエンザが昨年同様流行しなければよいのですが、ひとたび流行し始めると大流行となる危険性も示唆されています。実際インドやバングラデシュでは今年の夏に流行が起こっています。

 

そして社会的には、まだまだ発熱をすることに非常に気を使わなければならない状況は続いています。一時よりは発熱患者さんを診てくれる医療機関は増えていますが、受診機会には制限があります(一般の患者さんと同じ待合室は使えないので、車の中での待機や、受診時間の調整などが行われています)。また、ひとたび発熱すると、勤務先や学校などからPCR検査を求められることもあるでしょう。

 

以上の事から、当院では例年ほど積極的に推奨しませんが、『心配な人は今年もインフルエンザワクチンを接種しましょう』というスタンスで行きます。当然当院のスタッフは全員接種します。何卒よろしくお願いいたします。